みっつ通信

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三森正道という人間が好きなことを好きなように書いているブログです

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自分よ、ケチるな。

坂爪圭吾 (いばや通信) さんの「贈与の霊。」という記事がすばらしかった。特にピューリタンとインディアンの逸話が印象深かったので、引用の引用をさせていただきたいと思います。
 
アメリカ大陸に渡ったピューリタンたちは、そこで原住のインディアンと出会った。ピューリタンたちの目には、インディアンがひどく交際好きで浪費を好む人間のように見えた。インディアンは、たくさんの贈り物を交換しあい、もらったら必ずお返しをしなければ気のすまない人たちだ。倹約家で、こつこつとためるのが好きなピューリタンには、そういう「インディアン・ギフト」の習俗が、ひどく異様に見えたのである。
 
ところが、インディアンのほうでは、ピューリタンのその倹約家ぶりが、信じられないほど以上なことに、思えたのだ。たとえばこんなことがあった。白人の行政官がインディアンの村を訪れた。彼を歓待するために、インディアンは彼にみごとなパイプを渡して、煙草を吸うようにとすすめた。そして帰り際、友情の贈り物として、このパイプを行政官は受け取ったのである。その数カ月後、インディアンはこの人好きのする白人のオフィスを訪問した。そして、その居間の暖炉の上に、あのパイプが飾ってあるのを見て、はげしい衝撃を受けたのである。「白人はもらったもののお返しをしない。それどころか、もらったものを自分のものにして、飾っている。なんという不吉な人々だ」
 
インディアンの思考法では、贈り物は動いていかなければならないのである。贈り物といっしょに「贈与の霊」が、ほかの人に手渡された。そうしたら、この「贈与の霊」を、別の形をした贈り物にそえて、お返ししたり、別の人たちに手渡ししたりして、霊を動かさなければならないのである。「贈与の霊」が動き、流れていくとき、世界は物質的にも豊かだし、人々の心は生き生きとしてくる。だから、贈り物は自分のものにしてはならず、蓄積してはならず、たえず動いていくものでなければならないのである。
 
ところが、ピューリタンはそれを暖炉の上に飾ったり、博物館に収めたり、貯めたりする。自分の身のまわりに集まってきた「贈与の霊」の力を、彼らは蓄積し、使わないままに所有してしまった。無駄遣いの嫌いなピューリタニズム(その経済学的な別名はキャピタリズムである)は、大地を循環する「贈与の霊」の動きをとめることによって、自分の富を増殖させようとしていたのである。インディアンにとって、それはまことに不吉の前兆だった。大地と人のあいだを動き、循環していたなにものかが、とどこおり、動きをとめていく。そのかわり、そこには個人的な蓄積が、将来の増殖を生むという、別種のデーモニックな力が、徘徊していくことになる。それは、人々の物質的な暮らしは豊かにするだろうが、魂を豊かにすることは、けっしてないだろう。なぜなら、人間の魂の幸福は、つねに大地を循環する「贈与の霊」とともにあるものなのだから。

自分よ、ケチるな。

自分はどちらかというとピューリタンのような倹約家タイプだと思う。20円のためならスーパーをハシゴだってできるし、生活費の節約にいたっては余念がない。でも、最近節約の度合いが過ぎると失ってしまうものがあるのではないかと思うようになった。
 
生活必需品などの物を買うときに1円でも安く買おうと思うのは自分にとって自然な行いになっているし、それは、これからも習慣として続けていきたいと思う。なにせ無駄遣いができるほどの金銭的余裕もないので、そこを節約せんでどうする! という感じだ。
 
しかし、恋人とお茶をするときにさえもケチな魔の手が自分に襲いかかってくる場合がある。普段から恋人にカフェ代などを出してもらっているので、自分の懐にある程度の余裕があっても、当たり前のように奢ってもらってしまう。
 
正直、自分がいくら節約をしたところで残るお金はほとんどない。仮に奇跡的に1ヶ月で1万円の貯金をすることに成功したとしても、1年で計算すると12万円だ。12万円という金額は大きいものだけど、多分、いざ何かあったら、一瞬で吹き飛んでしまう額にも思える。しかも、その金額を貯めるには相当の意志力が必要そうだ。
 
それだったら、自分の手元に100円でも手をつけていいお金があるなら、人のために使ってゼロになるぐらいの気持ちでいたいと思う。所持金が限りなくゼロに近くなるほどに、自分の心はブルーになりがちだけど、そんな時の合言葉は、「ケチるな自分」でいきたい。ケチれば、与える喜びを失う。
 
自分のためにお金を使うときは本当に生活に必要なものだけに抑えて、そして余ったお金は自分の好きな人のために使う。そこに「贈与の霊」が宿ってくれたらいいなと思う。